コーヒー。
おいしいっていうか、かっこいいが先にそこにあって、それを必死でじぶんが追いかけるみたいにして、おいしいと思えるようになった、
いや、思えているのかもわからないままぼんやりと、おいしいって言っているような、そんなおいしさです。
そういう人間味のつまった背伸び、包み隠さずにきょうもコーヒー飲んで、じぶんかっこいいなあと思っている時間が、ずっと、すき。
コーヒーのこと、どこかのなにかで書かせてもらいたいなあと思っていて、でもそれが、どこのなになのかはわからないし、という思いで、たまたま家の近くにあるって理由だけで気になっていた”珈琲工房ビーンズ”に電話しました。
じぶん自身が漠然としていたせいで、話した内容も、声の色も、ぜんぶもやもやしてたと思うし、確固たるものがなにもない状態だったから、とりあえず会ってくれる、と言ってくれたことが嬉しかった、おっきなもやもやの端を、ぎゅっと掴めた気がした、掴めるんだ、って気付けました。
文と絵 山本こう太