こう太のコーヒーとか

4 僕が無色透明でも

ありのままの自分に胸をはれる大人はたしかにかっこよかったけれど。

あたりまえのようにきょうも息を吸い吐きしていますが、呼吸ができて嬉しい!とか思うのってなかなかむずかしくないですか、そういう感じがずっとあって、だからありのままのもともとの自分を、かっこいいとかどうとか思うこと自体が不自然だった、自分が自分であることなんてすぐに忘れてしまうよ。
飾りもしない自分、褒められたところでピンとこなかった、だってありのままはあたりまえなんだから。匂いもしないし色もない、透明だ。

4 僕が無色透明でも それよりかは、必死で背伸びして、やっと手が届いて獲得できたような自分、そんな自分の方がよっぽどかっこいいし、愛くるしいと思えていたんだなあ。
なんなら、まだぎっちりと獲得すらできていない状態、背伸びのままおぼつかない様子だけど、ワンランク上のなにかにつんつんと触れている感覚、かっこよくなってる最中なんだぞ!と具体的で、ここちよいです。
だから憧れはいつも、僕の存在をぐいぐい引っ張ってくれるし、ありのままの自分にざぶんと浸っている暇はあんまりなかった、そういう一瞬一瞬をできるだけ過ごしていたいね、これからも。

まだまだ、コーヒーを嗜んでいる自分には違和感がある、だから、僕の視界のなかで、いつになく自分が目立っています、自分自分!って。生きているなあ!って、実感できるよ。

文と絵 山本こう太

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