こう太のコーヒーとか

5 シュガー&ミルク

甘い食べものがいちばん好きです。くちに放り込んだら簡単に美味しいと思える、くちのなかでもぞもぞと思考する必要もなくて、味がそのまま一直線になっているみたいで、迷わずに、美味しいっていう感覚に行き着くよね、ぼくがばか舌なだけなのかもしれないけれど。

そういう具体的な味に殴られていたいんだ。ケチャップもマヨネーズも焼肉のタレも、確実に、ぼくの感性にパンチをいれてくる、脳の欲求に対してダイレクトなはたらきをしてくれる美味しさが好きだ。
だから、深みとかコクとか言われてもわからないよ、それってなに味なの?とか思うし、うまみっていう魔法みたいな成分にしたって、抽象的すぎるから頭がついてこない。
食べるときくらい、素直でばかな子供でいたい。

5 シュガー&ミルク だから当然のように、苦さが、美味しくなかった。
苦いものをくちに入れて、美味しい!と感想を抱く大人たち全員が、とてもひねくれているように思えたし、でも、そういうひねくれ方、解釈の仕方にちょっとずつ憧れるようになったんです。じぶんに素直じゃないそんな大人に、憧れるようになったんです。

きょうもコーヒーが美味しい。でもやっぱりまだ、お砂糖とミルクは欠かさないよ。

文と絵 山本こう太

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