こう太のコーヒーとか

11 やさしい時間

気がつくと10月ももうすぐ終わる。
ほんとうは時間には終わりもはじまりもなくて、すべてのものをすり抜けながらたださらさらと、未来に吸い込まれるように流れていくね。
時間の流れを見届けることができるのは時計やカレンダーのおかげ、そのおかげで1分の終わりを、1日の終わりを、1年の終わりをすこし寂しく思ってしまう。
ほんとうは、ちくたくという音もなく、静かに、知らないうちに過ぎていく、そういうものなのです、時間。

去年の今頃なにしてたかなーとか思う、今ここにあるものを眺めたりする。 増えたり減ったり。変化は嬉しいですか?

止まらない時間のなかで、満ち欠けを繰り返しながら、命のリズムも止まらない。 時計はあちこちに針を振り回しながらちゃんと日をまたぐし、10月も終わるのかあって毎年いろんな場面で思いながらも、年を越えてまた越えて。
11 やさしい時間 進めているよね、変化が嬉しくても、怖くても、まっすぐだ、だれひとり時間に逆らっていないよ、間違っていないよ。味方をしてくれる。
だから、時間のなかでひとは、進むことに素直になれる、時間が過ぎることにも素直に寂しがれるし、どうにかなってしまうことが素直に怖くなる、素直だ。

時間が止まることはない、それはすごくやさしい事実です、だから心を許せてしまう、だからまた来年も、って、あたたかくなれる。そんな10月。

文と絵 山本こう太

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