こう太のコーヒーとか

22 夢はなんですか

夢を抱く少年の無邪気さが、いつのまにか儚さになっていく。
現実を目の当たりにしていくなかで、夢はいったい、なにに姿を変えてしまうんだろう。

子供たちが描く夢が、現実と切り離された場所にあるメルヘンなファンタジーだと思ったことがない。
子供たちにとっての夢の正体は、実は、単なる物欲だったり食欲だったりする気がする。
誰も食べたことのない美味しい美味しいケーキが食べたくて、パティシエになりたい、とか言うんだ。
ちゃんと現実の風を受けながら妄想を膨らましていくし、毎日毎日、いろんなものを見て聞いて生きて、知るたびに妄想の形が変わっていく、それはそれは柔軟に。

歳をとって、夢を抱かなくなるなんて、きっと嘘。
生きているうちにあらゆる欲望が濃くて具体的なものになっていくぶん、「目標」だとかに姿を変えながら、日常に溶けこんでいく。
子供の頃に描いていた夢よりも、遥かに大きくて、ずっと近くにある。大人たちだって、大望を胸に抱えているんだ。
だから年を重ねて重ねて、人生は、美しく綺麗になっていくのかもしれない。
22 夢はなんですか
最後になりましたが、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

文と絵 山本こう太

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