こう太のコーヒーとか

40 店だってだれかの作品だ。

今日は喫茶店に来ています。日記です。

喫茶店が好き。
1から10まで、コーヒーのために用意されている空間のなかに、自分という存在がぽつんと紛れこむような。
自分以外のすべてのものは、店主が作り出した世界で、物語で。
ただ僕がここにいるというだけの事実が、まるでフィクションを実体験しているような気持ちすらも味わわせてくれる。
ここは、非日常のなかだ。

日常のなかにもすっかりコーヒーは馴染んでいて、現実の色をまとったコーヒーに慣れてしまっていたせいか、コーヒーのためのこの空間で飲むものはやっぱり、非日常の味がして楽しかった。 両足が地面から離れて、身体がまだ浮かんでいるような感覚、なにもかもが美化されて見えた世界はフィクションでしかないのだろうけど、自分のなかの感性までもが美化されたみたいで、なんだかずっと、楽しかった。

40 店だってだれかの作品だ。 空間への入場料も含まれていると考えたら、コーヒー1杯400円は安すぎる。
店だってだれかの作品だ。世界だ、物語だ。
こういう空気が吸い込めるのは本当に嬉しいし、やっぱり僕は、創作というものが好き。
改めてそう思えた1日でした。

文と絵 山本こう太

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