こう太のコーヒーとか

2 めんどうな雨がきらいだ

雨を怖いと思うのはむずかしいし、そう思えなかった結果が被害になった、ぼくは、怖い思いをしていた。

晴れると気持ちがいい、雨はめんどくさいからいやで、風が吹いても雪が落ちても、それが、天気という言葉を超えてくることはないよ。天気でしかない、だからぼくたちは結局、この空のしたで暮らせてしまう、それはずっと前から事実です、どうやっても動かせない空に従って、人間は動く、そうやって、天気と生きていたね。

7月6日は、雨が天気じゃなかった、違った。
それでも窓の外、雲から落ちる水はやっぱり雨で、それに安心していた、水の色でも変わっていたら怖かったと思う、どれだけの雨音が屋根をたたいてもちゃんと、怖い、って思えなかった。
2 めんどうな雨がきらいだ 怖かったのはテレビのなかの街、それはようするに、ぼくの部屋の外のことで、じぶんもその街の一部になっていることがなにより怖くて、避難しました。

天気を怖がるなんて、きっと、人間には向いていないよ、雨が降っていたら外に出るのがめんどうだろう、そうやって長く付き合ってきたんだから。
街が沈んではじめて怖いと思うような人間だ、人が死んで、どんどん怖くなるような人間だ。
雨を怖いと思うのはむずかしいけれど、街に沈みたくない、死にたくない、そういうのはやっぱり、すごく怖いこと。

文と絵 山本こう太

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