こう太のコーヒーとか

13 一杯のコーヒーから今日が始まる

朝日が綺麗だ、一杯のコーヒーから今日が始まる。
陽射しを招きこんだぼくの部屋は、まるで世界から切り離されているかのように優雅で、忙しい街の景色が他人事にしか思えない。
13 一杯のコーヒーから今日が始まる この時間のあいだ、マイペースという言葉の光が加速する、焦る気にすらならないし落ち着いていられる、いい時間だよね。

じぶんが社会の一員であるという自覚があればあるほど、マイペースだなんて言っていられなくなる。
じぶんがどうしたいかは二の次で、相手がどうされたいかを突き詰めていかないといけないよね。
じぶんのエゴをびっしりと敷き詰めて、そこを他人が都合よく流れてくれるなんていう状況、奇跡に近いんじゃないかな。
とにかくそんなこと滅多に起こらないからぼくたちは、社会の流れに寄り添いながら、暮らすことしかできないんだ、それが社会のなかで生きていくということなのかもしれません。

はぁ、つまらない。って思ってもいい時間なんだ。
それが朝のコーヒータイムなんです。

社会、他人、ペース、流れ。つまらない。
じぶんはじぶん、やりたいことをやればいい。
無防備な発想だけれど、そんなことを力強く思えるんだ。
朝日を体で吸い取っているとき、生命体としてのじぶんが吠えている気がする、人間であるもっともっと以前のただの生命体。
そんな生命体にとって、社会もくそも、ないよね。

とか言いながらコーヒーを飲み終える。
ぼくは今日も、人間に戻るんだ。

文と絵 山本こう太

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