こう太のコーヒーとか

38 コーヒー実験

同じ豆を使っていたとしても、豆の煎り具合が変わればまた、味が変わる。
同じ豆を同じ煎り具合で焼き、挽いた豆にお湯を落とす、その落とし方が変わればきっと、味も変わってしまうんだろう。
さっき飲んだコーヒーと先週飲んだコーヒーの違いがわかるようになって、どんな風に違うのかもわかるようになった。
しかしその違いが生まれた原因がわからないままだ。
というよりも、種類、煎り具合、ドリップの仕方、もっともっとたくさんの要素、とにかくなにもかもが違いすぎて、この味の違いがどれによって成されたものなのかがわからない。
ただぼんやりと、その味の違いを楽しむことしかできなかった。

興味が湧いてくるとどうしても実験的な発想になってくる。
例えば、コーヒー豆の味の違いを知りたいと、本当の意味で思うのならば、煎り具合からドリップの仕方まで、豆の種類が違うということ以外のすべての方法を統一しなければいけない。
そのときにはじめて、豆の種類による味の違いが断定されるわけであって、そもそもいろんな要素が違いすぎているなかで豆の種類が違っていたところで、この豆はどうだとかあの豆はああだとか言えるわけがない、ピントは一向に定まっていない、ぼけぼけだ。

38 コーヒー実験 ぼくは実験がしたい。
まずは百発百中同じドリップができるよう、こぽこぽの訓練をしようと思う。
好きこそものの上手なれ、を、信じている。

文と絵 山本こう太

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