こう太のコーヒーとか

46 ぼくのコーヒーブレイクの本質

いまさらこんなことを言うのもなんですが、コーヒーを飲んでいる最中って、実は、暇なのです。 片手は空いているし、目線にしたって行先が正確に定まってもいない。
コーヒーを飲む、ということ以外なにもしていない時間、早くも遅くも流れてはくれないそのままの時間を過ごす。
ぼくにとってのコーヒーブレイクは、そういう時間なんだ。

46 ぼくのコーヒーブレイクの本質 人や街と共存しているとき、それぞれが吸ったり吐いたりしながらみんなで呼吸をシェアし合っているような気持ちになる。
ぼくは、街の呼吸に合わせて踊り、人の呼吸に合わせて眠る。
時の流れについて、早く感じたり長く感じたりというのはおそらくそのせいだろう。
時間の刻々というリズムは、世界と密接に共存している以上、じぶんひとりだけで奏でることのできるものではないのだなあ。

じぶんの呼吸のリズムなんてすっかり忘れてしまっているよ。
つねになにかと繋がっていて、暇だとか思う隙すらありません。
だからたまに息苦しくなるし、だからコーヒーブレイクが好きなんだと思う。
コーヒーを飲んでいる時間にこそ、本当の意味でマイペースになれているし、ぼくだけの温度を吸って吐き出せる。
こういう時間、ぼくはぼくで在れているなあと、やっぱり嬉しくなります。

文と絵 山本こう太

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