こう太のコーヒーとか

74 あふれるおもいも、枯れるおもいも。

あしたに何をみることもなく、純粋だったとおもう、きょうは雨なのにさむくなかった。
コーヒーは苦くて、美味しいですかと聞かれたら実際、美味しいというか苦いって答えるだろうし、そういうやりとりはたぶんかっこよくて、美味かどうかは疑わしくとも、コーヒーをのんでいる自分は確実に、おいしく在れているのだよ、とかいう哲学。

74 あふれるおもいも、枯れるおもいも。 哲学。なにかをおもうのは難しい。
おもえと言われておもえるものではないからです。
かといって、おもうな、と言うのもまた無理な要望で、なにもおもわないでいることもまた、おんなじくらいに難しい。
おもう、または、おもうことなく、ぼくは勝手だ。
自分勝手なままに、ぜんぶのぜんぶが、どうしようもないおもい。どうしようもない。
目の奥がちかちかするけれど、ねむることしかできない夜は、心地がよかった。

コーヒーは苦いほうがすき。
きょうは雨だったけれど、雨の音が聞こえてこなかった。
わすれてしまいたいことなんて、ひとつもありませんように。

文と絵 山本こう太

×
sp
美味しさのヒミツ
sp
自家焙煎.com耳寄り情報
>