こう太のコーヒーとか

98 本になる

じぶんたちにしか歩めないストーリーがあるとしたら、たとえばぼくは、ぼくを大切にしたいとおもってしまうかもしれない。
じぶんのことすら守れない大人に、なっていく、本をよんで、たしかめる、たしかめる。
なにも、覚えていない、純粋でいたくて、なんとなく笑顔をつくりましたが、だれかの価値観を引き裂いてしまう、ぼくはときどき、じぶんが唯一無二の存在であると、おもう。

本をよめば、じぶんが今、どこにいるかわかる気がする。じぶんが今も、どこに居座ってしまっているかが、あきらかになってしまうみたい。
繋がりと呼んでみても差し障りがない、繋がり、信頼とか信用とか、ちゃんと、思い出せる位置にかざっておいたのに、どんどんわからなくなっていく。
いっそ、本のなかに隠れてしまえたら、息も、しやすくなるんじゃないか、とか。

98 本になる ぼくはこれから、ひとりになるし、おなじ言葉をこれから何回も何回も、生き直すのだろう。
もうなにも考えなくていいから、と、髪を束ねました。
ほんとうにしたいことだけをして、ぼくは、物語になりたかった。
しずかな場所で、ずっと、じぶんとだけ会話をしていたいなあ。

文:山本こう太note
絵:kaori

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