こう太のコーヒーとか

29 深夜番組を見てる瞳は、とってもピュア

夜中ってなんでこうも面白くないのに、ついつい眠らずにいてしまうんだろうね。
深夜、時間というよりも、部屋ごとどっかに吹き飛ばされた空間みたいな感じです。

深夜番組の「見てくれ感」のなさが、ちょうどいい。
こちら側の「見るぞ感」もなくてすむから、無防備というか丸裸というか、そういう状態でごろんと見ていられる。
テレビの電源を入れているのはぼくなのに、見ているようで見ていなくて、見ていないようでちゃんと耳に飛び込んできているくらいの音声がちょうどいい。
無自覚のまま薄く視聴するような感覚、でもちゃんと、BGMではなくて、すべての笑いがふいうちのように刺さってくる。
なにに笑ったのかもよくわからない、ただテレビの中の笑い声につられただけかもしれない。オチのない話にも説明不要で笑いがくっついてくるじゃないですか。
深夜番組はそういうちょっと特別なもので、それはこの時間にやっているからこそのものなのかもしれないとしたら、やっぱりこの夜中という空間は、特別だなあと思う。

29 深夜番組を見てる瞳は、とってもピュア 深夜番組を見てる瞳は、とってもピュア。
意味もなく、ふっと笑ってしまう、理解を超えて。
それはまるで、ひとのもともとのこころのなかみたい。理由ばかりを尋ねる世界はここにはないよ。
まぶしい時間、まぶしいね。おやすみなさい。

文と絵 山本こう太

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