言葉は、ぼくとあなたとの間でのみ育つ花の種だ。
どうか綺麗な花が咲きますように、と、こころを込めて、やさしい会話だけをしていたい。
ぼくのためだけであってはいけないし、あなたのためだけであってもいけなかった、ぼくとあなた、お互いがお互いにとって大切だからこそ、いろんな想いを言葉に変える。
今日なんとなく交わし合った言葉にすら、綺麗な未来を願う気持ちが宿っている気がする、あたたかな関係でありたいね。
あなた、が変われば言葉も変わるのもまた自然なこと。
たくさんのあなたたちを大切にするためにもぼくは、たくさんの言葉を知っていないといけなかった。
だからいろんな想いに気付けるような人になりたかったし、なにかを選んでなにかを捨てている場合ではなかった、なにも選ばないまま、すべてのものに手を伸ばせるこの場所が好きだった。
あなたと育てた花が、どんなかたちになるのかは、わからない。
まだ見ぬ花を思ってぼくは、言葉に生きる。
あなたのこころには、どんな花が咲いていますか、どんな花を、抱きしめていますか。
文と絵 山本こう太